三井不動産カップ2025(東京大会)第2戦:日本 89-55 デンマーク 約1万人の声援に後押しされて快勝し、いざアジア女王奪還へ
2025年7月5日
FIBA 女子アジアカップ2025へ向けた実戦形式の強化と選考を兼ねた「三井不動産カップ2025(東京大会)」は、デンマークとの第2戦が最終日。65-65、希有な同点で終わった第1戦の反省点を踏まえ、「攻守ともに細かい部分を修正することをテーマとして臨み、昨日のミスを修正したことで日本のバスケスタイルらしいペースと流れを作ることができました」とコーリー・ゲインズヘッドコーチが言うとおりに本来の姿を見せ、89-55で勝利。1勝1分けとし、愛知大会に続いて今年2度目の三井不動産カップを掲げました。3ポイントシュートを4本成功させ、昨日の12点を上回る14点を挙げた薮 未奈海選手がMVPを受賞し、12名の最終ロスター入りに大きくアピールします。
同点に終わった第1戦の後、ロッカールームではめずらしくゲインズヘッドコーチが檄を飛ばしたことで、「みんながもう一度意識を高く持って臨み、今日のようなゲームができました」と馬瓜ステファニー選手(CASADEMONT ZARAGOZA)も目覚ましい活躍を見せます。日本のスタイルに沿ったプレーを意識し、3本の3ポイントシュートを成功させて9得点。チームとしても第1戦は26.5%だった低迷を晴らすように、立ち上がりから6本の3ポイントシュートの沈め、20-7とした日本がリードを広げました。
「昨日はスリーポイントシュートを打っても短く、今日の1本目も同じ感覚でしたので、少し強く打つように修正しました」という宮澤夕貴選手(富士通レッドウェーブ)は、昨日の1/7本から3/5本と確率を上げ、15点はチームハイ。あらためて第1戦からの修正点について、「昨日は全員の動きが止まっていて、スローペースなバスケでした。トランディションの時に積極的にピックをかけに行って動きを作ることや、ハーフコートバスケになっても私が走ることで誰かが開いたりする場合もありました」と反省点を生かし、日本のバスケスタイルを遂行したことが快勝につながりました。
第2戦、3ポイントシュート試投数の目標値である40本を達成し、45%の高確率で18本成功。ゲインズヘッドコーチはシュートが入ったからではなく、「細かい約束事を遂行できたこと」を勝因に挙げます。「シュートが入らなくても、日本のスタイルを出すことさえできれば、どんな試合でも勝てる自信があります」と練習してきた成果を発揮し、89-55と34点差をつけて快勝しました。
日本のバスケスタイルについて宮澤選手は、「昨日よりもパスが回っていました。その理由は、アップテンポのバスケをすることで、相手のディフェンスが後手に回っていたと感じました。昨日の試合後にパスの回数をコーリーヘッドコーチに提示され、これまでの4試合(愛知大会、中国遠征)と比較してパスが一番少ないと言われました。今日はパスの意識やカッティングのスピードを上げ、流れを意識していました」と話し、自らのプレーを取り戻します。この快勝も「スタートラインに立っただけであり、まだまだこれではアジアで優勝するのは無理だと思います」と宮澤選手は気を引き締めます。
今年の大一番となるFIBA女子アジアカップ2025は7月13日(日)より中国・深圳にて開幕。予選グループはレバノン、フィリピン、オーストラリアと対戦。予選各グループの上位3チームが決勝トーナメントへ進出するとともに、来年3月に開催予定のFIBA女子ワールドカップ2026世界予選への出場権獲得。予選1位チームは準決勝へ進み、その対戦相手は異なるグループと2位vs3位で争い、勝ったチームがベスト4進出。FIBA女子アジアカップチャンピオンは、FIBA女子ワールドカップ2026への出場が決まります。有明アリーナで約1万人の声援にパワーをもらった女子日本代表は、2大会ぶりの王座奪還を目指します。