三井不動産カップ2025(東京大会)第1戦:日本 65-65 デンマーク「やっとスタートラインに立てた感じ」薮 未奈海選手
2025年7月4日
「三井不動産カップ2025(東京大会)」が有明アリーナで開幕。デンマークとは2年前の三井不動産カップでも対戦し、3連勝。当時も出場した選手は7人もいます。5千人を超える有明アリーナでの第1戦、第1クォーターから10点ビハインドを背負い、苦しい立ち上がりとなりました。第3クォーターこそコーリー・ゲインズヘッドコーチが目指すディフェンスから全員がボールをプッシュするペースの速い本来の姿が見られ、この10分間は日本が10点差をつけます。しかし、大きなデンマークに苦しみながら40分間を戦い終え、65-65。今大会は延長がなく、同点のまま辛うじて負けなかった第1戦でした。
「練習してきたことができなかったことが反省点のひとつです」と渡嘉敷来夢選手(アイシン ウィングス)は述べ、コーリー・ゲインズヘッドコーチも「細かい部分ができなかったです」と目指してきたスタイルがこの試合では鳴りを潜めます。ゲインズヘッドコーチは「トラップする時に手を使わないこと。相手がシュートフェイクした時に飛ばないこと。ボールを大切にすること。強く良いパスをすること。ジャンプストップすること。バウンドパスをすること」とチームとしての約束事を並べ、そこが徹底できませんでした。試合後のロッカールームでは、「我々のスタンダードを守れなかった」と告げ、もう一度チーム全員で見つめ直します。
中国遠征はメンバーに選ばれなかった渡嘉敷選手にとって、「久しぶりに自分より身長が高くてパワーのある選手と戦えたことは、この先も代表活動を続けていくのであれば必ず必要になる経験でした。そこに対する手応えはあります」と190cm台を2枚擁するデンマーク戦で国際試合の感覚をつかみます。1on1のディフェンスでは自信を見せる一方、チームディフェンスとリバウンドに渡嘉敷選手は課題を見つけます。「チームとして戦って勝ち切ることが重要であり、ゴール下から全員の動きも見えているので、しっかりと声を出していきたいです」と次戦への成長につなげます。
2年前のデンマーク戦での薮 未奈海選手(デンソー アイリス)は、いずれも3分未満の出場時間でした。「ディベロップメンバーとして13人目として選出され、言い方は悪いかもしれないですけどオマケみたいな感じでした」という感覚だった時から2年が経ち、前回の3試合合計よりもずっと多い10分46秒間コートに立ちました。練習から好調さをキープし、3ポイントシュート3/4本と高確率で決め、12得点はチームハイ。
「自分の役割を把握して試合に臨むこと」とゲインズヘッドコーチは常に選手たちに伝え、薮選手に期待される「シュートを打ち切ること。その中で、しっかりコーナーまで走ってスペースを作るオフボールでの動き」を徹底したことでシュートチャンスがめぐってきました。「自分がコートに入って5人全員が良い動きになった時に、良いタイミングでパスをもらえたので、そこでシュートを決め切ることができました」と教えを守ったことがプレーに現れます。
2023年のアジア競技大会で日本代表として出場し、これまでも強化合宿に呼ばれることはあった薮選手。FIBA 女子アジアカップ2025へ向かう最終候補まで残り、今は15名にしっかりと選考された中で迎えた今大会は、「やっとスタートラインに立てた感じがあります」と自信を持ってアピールします。タレント豊富なデンソー アイリスでは、なかなかプレータイムをつかめずにいましたが、チャンスをつかむためにスキルを磨き、フィジカルも強くしてきたことがフラットに評価される“コーリーJAPAN”で実を結びはじめています。「素直にアジアカップに出たいです」とオマケのような存在から脱却し、チームに貢献する歯車の一人として頭角を現しています。
第2戦も同じく19時より、有明アリーナでデンマークと対戦します(チケット好評発売中)